猫の世界と私

結愛は、差し出された未来の手を取ると、水族館の出口へ向かった。
扉が開き、外に出る。

そこには見慣れた猫たちが横一列に並び、結愛と未来を見つめている。

結愛は規則正しく並んでいる姿に驚いたが、未来は冷静に猫を眺め、その中から黄緑色の瞳を持つ猫を探し出すと、ゆっくりと抱き上げ、静かに見つめ合った。



「ねぇ、結愛」

「なに?」

「この子も連れて行っていい?」

「この子って、猫のこと?」

「そう、この黄緑色の瞳を持った猫。気に入っちゃった」

「気に入ったって…ここで連れて行かなくても、きっと行くところには必ず現れるよ」

「うん、分かってる。けど、やっぱり気になっちゃって…どこにでも現れるなら、ずっと一緒でも問題ないでしょ?」

「まぁ、そうだけど…」

「ダメ?」

「ううん、特に問題はない…」

「じゃ、いい?」

「う、うん…いいよ」

「やった!ありがとう!ずっと一緒だね!ほら、君も結愛にお礼言わなきゃ!」