猫の世界と私

結愛の手のひらにそっと、金色のネックレスが置かれる。
細いチェーンに小さなイルカのモチーフが、シンプルなネックレスを可愛らしく見せている。

結愛はネックレスを摘むように持つと、ユラユラと揺れるイルカを見つめた。



「もしかして、これ、彼との思い出だったりするの？」



未来は顔を赤らめながら、結愛の質問に頷いた。



「そうなの。これに一目惚れで、買おうとしたら、彼が買ってくれて…まさか、そんなことになるなんて思ってなかったから、本当に嬉しくて…生きていた時は毎日身に付けてた。だから、この世界でも、このネックレスに会えて嬉しい」



ネックレスが置いてあった場所から、もう一つネックレスを取ると、未来はそれを首につけた。

結愛は、手のひらに残されたネックレスを元に戻そうとするが、未来にそれを止められる。