猫の世界と私

「そっか…じゃ、どこ?」

「このすぐ側に遊園地と、水族館があるでしょ?そこだよ」

「遊園地と…水族館…」



行こうと言って行けなかった場所。
叶えられなかった場所。

結愛の心がチクリと痛む。

そこに、行く。
何となく複雑な気持ちがした。


彼と行きたかった。


そんな思いが過ぎる。


けれど、どんなに考えたところで叶うことはない。

そう結愛は自分自身に言い聞かせると、未来に笑顔で頷いた。


駅から歩き、目的の場所へは直ぐにたどり着くことが出来た。
一人で行くよりも二人で行くからか、距離感はあっと言う間だ。


駅から続いている道を進み、遊園地の切符売り場で止まる。
もちろん、結愛と未来以外の人は今のところ見当たらないため、切符を買わなくても改札口を通ることが出来た。