猫の世界と私

再び駅に行くことになることは考えていなかった。
もしかしたら再び何かの記憶をなくして、この世界に迷い込むかもしれない。

そう思うと怖くなってくる。

結愛の表情が曇った。
何かを感じ取ったのか、未来は結愛の手を取ると、優しく握った。

優しい温かさに結愛は未来を見つめる。



「大丈夫だよ、結愛。ちゃんと手、握ってる」

「……うん…」

「行こう」



結愛と未来は手を繋いだまま歩き出した。
校門を出て、ふと振り返ると、猫たちが黙ってこちらを見ている。

その表情は悲しげにも切なげにも見えない、全くの無表情。

少し怖くなった結愛は足を止めた。
急に進まなくなった結愛に、未来も足を止める。

そして、結愛の見る方向へ視線を移した。