猫の世界と私

一匹一匹を撫で、それぞれの顔を覚えるように未来は抱いていった。



「猫、好きなの?」

「好き、大好き!」



じゃれつく猫に負けず、頬を近づけ、猫と遊ぶ。
それが楽しいのか、次から次に猫たちも未来へ近づいていく。


一人取り残された結愛は何となく寂しさを覚えた。



「結愛は嫌いなの?」



未来の質問した内容が分かるのか、猫たちの視線は結愛へ移動する。
思わず息を呑み、結愛は質問に答えた。



「好き…だった…はず…嫌いじゃない」



嫌いではない。
触れる、撫でる、擦り寄ってきても嫌だとは思わない。

だから好きなはず。

けれど、その感情を思い出せない。


質問されなければ気付かなかった。
この記憶も消えそうになっていたことに。