猫の世界と私

「そういえば、彼も同じこと言ってたなって思って」

「彼って、未来の彼氏のこと?」

「そう。彼もね、さっきと同じようなやりとりの後、そう言ってた」

「そっか。じゃ、なおさら気にすることないんじゃない?」

「うん。うん…そうね」

「行く?」

「うん。ねぇ、結愛」

「何?」

「私、行きたいところがあるの」

「どこ?」

「高校」

「高校?どこの?」

「この近くに高校あるでしょ?」

「うん」

「そこに行きたい」

「分かった、じゃ、行こう」



図書館から結愛のいた高校は近い。
ほんの百メートルくらい歩けば高校の校門がある。

もう戻ることはないと思っていた高校へ、結愛は再び戻ってきた。

校門から見える校舎は静かで、寂しい感じがする。
そして、別れを告げたはずの猫たちが校門に並んでいた。


異様な光景とも言える状況に、未来は笑顔で猫に手を差し出した。

猫は校門から出ることもなく、ただ差し出された手を見ている。
猫が動けないと分かった未来は校門へ足を踏み入れた。

そして、猫たちは一斉に未来へ集まる。