猫の世界と私

「やばい、少し遅れる…」



休みだったからか、すっかりと油断をしていた瑛祐は、準備に手間取り、待ち合わせ時間ギリギリに電車に乗った。
急行電車に乗れた為、多少は待ち合わせ時間を過ぎるが、大幅に待たせることはない。

電車の中でそわそわしながら、瑛祐は出入り口付近の手すりに掴まり立っていた。



「後5分位かな…」



瑛祐の予想通り、電車は残り5分程で駅に到着した。
改札を通し、近くの広場へ向かう。
そこに未来はいるはずだ。

駅の階段を下り、裏側にある広場へ向かった。



「あ、瑛祐君！」



広場全体を見渡し、未来を探している瑛祐を、未来は先に見つけ声を掛ける。
その声に瑛祐は、未来がいる場所がすぐに分かった。