下を向き、未来は手を握り締めている。
勇気を出した言葉だということは理解していた。
そして、受け入れようとしている自分がいることも自覚している。
失うことが怖い、それもある。
けれど、それよりも瑛祐にとって怖いことがあった。
「俺のことを好きでいてくれることは嬉しい。けど、俺は…結愛のことを忘れたくない」
「……え…?」
「俺…ふと気付いたんだ…深く人と付き合って失いたくない気持ちは確かにあった。けど、時間が経って、自分の時間を生きていく内に、いつの間にか俺は、結愛のことを思い出して泣かなくなった。泣けないわけじゃないんだ。色んなことをした、話した記憶はある。けど、俺…もう…結愛の声…どんな声だったか思い出せない…笑顔だって記憶の中にある笑顔で間違いないのか自信がない…」
「……」
勇気を出した言葉だということは理解していた。
そして、受け入れようとしている自分がいることも自覚している。
失うことが怖い、それもある。
けれど、それよりも瑛祐にとって怖いことがあった。
「俺のことを好きでいてくれることは嬉しい。けど、俺は…結愛のことを忘れたくない」
「……え…?」
「俺…ふと気付いたんだ…深く人と付き合って失いたくない気持ちは確かにあった。けど、時間が経って、自分の時間を生きていく内に、いつの間にか俺は、結愛のことを思い出して泣かなくなった。泣けないわけじゃないんだ。色んなことをした、話した記憶はある。けど、俺…もう…結愛の声…どんな声だったか思い出せない…笑顔だって記憶の中にある笑顔で間違いないのか自信がない…」
「……」


