猫の世界と私

「イルカのショーがあるはずだけど、行く?」

「え、イルカのショーとかあるの!?行く!行きたい!」



先程までの落ち込んだ表情が嘘のように、満面の笑顔で答える未来に、瑛祐もいつしか笑顔になっていた。


はしゃぐ未来の体力は無くなるどころか、時間が経つほどに増していく。
そんな楽しい笑顔に瑛祐は、つられて笑顔になっていた。



「この辺に座る?あんまり前だと濡れるよ」

「そうなの?分かった、じゃ、この辺で」



ショーが行われる水槽から五段ほど上にある椅子に座る。
それからショーが行われるまでの待ち時間は長くなく、懸命にショーをするイルカに未来は感動して、声を出していた。



「そっか、ショーも初めてか…」

「そうだよ。すごいね、何か、楽しい!瑛祐君、ありがとう!」

「え…あ…うん…別に俺は何もしてない…」

「瑛祐君と来れた事、このショーを見れたことに感謝です!」

「………」