猫の世界と私

「もう…」

「ははは、ごめん」

「……瑛祐君が笑ってる…」

「は?」

「初めて見た!」

「え…そうだっけ?」

「そうだよ!もっと笑ったらいいのに…」

「いいのにって…無理。それより、顔赤いよ」

「分かってるよ、そんな瑛祐君見てたら誰だって顔赤くなるよ」

「……?」

「だって、すごくいい顔してるもん」

「え?」

「ね、ね、もっと笑ってよ」

「無理」

「むむ…残念」



赤らめた顔を隠すことなく、話す未来の存在は新鮮に見えた。
遠慮がちな瑛祐を引っ張っていき、瑛祐もそれに甘えてしまう。


いつの間にか瑛祐の中で未来の存在が大きくなっていた。