踏み出すたびに不安な気持ちしかなかった猫たちの視線が、今は切なく、悲しげに見える。
踏み出す前の視線、表情とは全く違うように感じた。
ただ、この世界を見て、記憶の中にある大切な人を探すために踏み出したのに、所々の場面にいる猫たちの表情を見ていると、猫たちをそこに置いて行くような感覚になる。
それが何となく結愛の心をチクチクと痛ませた。
「ごめんね…」
猫たちはその場所から出ることはない。
それは、教室を出た時点で分かっている。
どんなに寂しげに見つめられても、立ち止まるわけにはいかない。
「私、彼のこと忘れたくないの…」
「ううん…忘れちゃいけない気がするの…」
だからこそ、彼を探す。
そして、彼を心に留める。
その先は考えていない。
踏み出す前の視線、表情とは全く違うように感じた。
ただ、この世界を見て、記憶の中にある大切な人を探すために踏み出したのに、所々の場面にいる猫たちの表情を見ていると、猫たちをそこに置いて行くような感覚になる。
それが何となく結愛の心をチクチクと痛ませた。
「ごめんね…」
猫たちはその場所から出ることはない。
それは、教室を出た時点で分かっている。
どんなに寂しげに見つめられても、立ち止まるわけにはいかない。
「私、彼のこと忘れたくないの…」
「ううん…忘れちゃいけない気がするの…」
だからこそ、彼を探す。
そして、彼を心に留める。
その先は考えていない。


