猫の世界と私

「今日は、暑いね。電車の中涼しい~」

「確かに暑い。俺、既に焼けた」

「あ…私も日焼け止め塗ったけど、これだけ紫外線強いなら二度塗りしなきゃダメだよね。持って来てよかった」

「絶好の海日和だな」

「だね」



背もたれに身を任せ、瑛祐と結愛は電車の中の快適さを満喫した。
一度乗り換えが必要で、それからは海近くの駅まで普通電車に乗る。そして、そこからバスに乗り、目的地まで行く。
長い時間の間に、瑛祐と結愛は色々な話をしていた。

あっという間に時間は過ぎ、一度の乗り換えも終えると、再び話に夢中になり、海近くの駅に到着した。



「そんなに遠いって感じなかった、私」

「俺も」

「話してたからかな?」

「かもな」



駅近くにあるバス停から海へ向かう。
そこから出るバスは、一時間に一本か二本しかない。時間帯が悪ければ一時間待つことにもなる。
瑛祐は時刻表を見て、バスの時刻を確かめる。
幸運なのか、15分ほどでバスは到着するとのことだった。
その15分ほどでバスに乗る人々は増え、瑛祐と結愛の後ろには海に行く人々がたくさん並んでいた。