猫の世界と私

けれど、一年前とは違う。
今は気持ちが通じ合っている。いつでも連絡取ることができて、いつでも会うことができる。
その安心感が、少しの距離の不安も打ち消してくれる。


瑛祐と結愛は、それぞれの時間を過ごし、二人でいる時は、二人の時間を過ごした。
そして、その間には猫の姿があることも忘れない。


高校二年、夏。
期末試験も無事に終え、迎えた夏休み。
瑛祐は結愛と一緒に海に行く計画を立てていた。



「行くとしたら午前中から行く?」



結愛は携帯で、海まで行くルートを調べながら瑛祐に何時から動くのか聞いた。瑛祐も同じように携帯で調べながら結愛の質問に答える。



「そうだな…1時間30分は掛かるから9時には出たい…」

「そうだよね。私も、賛成。じゃ、9時に電車に乗れるように待ち合わせしようか」

「了解。じゃ、決まったと、いうことで、宿題に励むか」

「あ、うん。一気に現実に引き戻されたわ…」

「これやらなきゃ、夏休み後半地獄でしょ」

「確かに。じゃ、出来るところまでやっちゃおう」