猫の世界と私

「髪、伸びたな…」

「え…そりゃ…髪を切ってから時間、結構経ってるよ」

「そっか、あれからかなり時間経ったね、確かに」

「髪、長い方が好きなんでしょ?」

「うん」

「うわ、即答」

「だから伸ばしてくれてるんでしょ?」

「そりゃ…うん…」

「今度、髪が伸びたらポニーテールしてよ」

「もう、仕方ないな…」



照れながら結愛は頷く。
瑛祐は結愛の表情を見て、自宅の玄関に向かう。

後一歩で玄関の扉を開こうとした時、背後から可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。



「にゃぁ…」



か細く鳴く猫が、結愛に抱かれ、瑛祐を見ている。
瑛祐は猫の元へ戻ると、頭を撫で、再び玄関へ向かった。