猫の世界と私

「目が覚めた?」

「ハイ…」

「38.5度。普通、ここまで熱があったら学校休むと思うけど、そんなに学校来たかった?」

「…いえ…その…途中で熱を測るのを止めて…」

「はい?」

「音がならなかったから、確かに少しある数字は出てたんですけど、その体温で止まってるんだと思って止めました」

「あのさ、自信持って言ってるけど、普通に計ってる途中だから音ならなかったんだよ」

「……ハイ…」

「まぁ、彼女から既に言われたと思うけどね」



呆れ顔の保健の先生から言われた“彼女”の一言で、結愛の事と、今の時間が何時だという疑問が一気に浮上した。



「先生、彼女は?」

「授業中」

「え、じゃ、今何時ですか?」

「午後2時」

「に、2時!?朝から俺ここにいたの?」

「そう、正確には寝てた」

「………」

「彼女、昼休みにも来てたよ。それはそれはもう、心配そうにしてた」

「はい…」