猫の世界と私

高校一年、冬。
この時期になると、風邪をひく人が多くなる。
それは瑛祐も例外ではない。
どんなに風邪を引かないように注意しても、いつのまにか喉が痛くなり、声が出ず、鼻水が出て咳が出る。
やっと治ったと思えば、再び喉の痛みに襲われ、風邪を引く。そのスパイラルに陥ると、一ヶ月はほぼ風邪を引いた状態になる。



「……あ…あ…声が…出ない…」



喉に何かが突っかかったような感じがして、声を出すたびに、喉が掠れる。
痛みが、ご飯の通りを悪くし、次第に食欲が無くなっていった。
瑛祐は、制服に着替え、食べれるだけ井の中にご飯を押し込むと、すぐに学校へ向う。熱はないため、ただの喉からくる風邪だ。多少頭がボーッとするのは喉の痛みで、ご飯が食べれないからだろう。


鈍い足取りで向かう瑛祐に、結愛は心配そうに後ろから声を掛けた。


「おはよう…」

「あ、結愛…おはよう…」

「大丈夫?後ろから見てると、フラフラだけど…」

「熱はないのに、ボーッとするんだよね」

「ねぇ、本当に熱計った?」