「猫、飼ってる?」 「飼ってない」 「好きなら飼えばいいのに」 「残念ながら、お父さんが猫アレルギー…」 「なるほど」 「でも、こうやってたまに猫が見られるから大丈夫。猫さん、また会おうね」 結愛は静かに猫を地面に下ろすと、手を振り、猫に挨拶をする。 猫も分かったのか、一度振り返ると、すぐに自分の行こうとしたところへ走っていた。 その日を境に、瑛祐と結愛が一緒に帰っていると猫が現れ、一緒に過ごす日々になり、それに慣れた頃には、季節は夏から冬へ変わっていた。