猫の世界と私

「瑛祐…あぁ…やっぱり恥ずかしい!」



再び結愛は顔を背けた。
今まで力強かった結愛の腕を掴む瑛祐の手が、優しく解かれていく。

そして、ゆっくりと結愛の手を取り、瑛祐は結愛へ数歩近づいた。



「結愛…お、俺だって恥ずかしいよ。けど、それよりも嬉しいかもしれない」

「嬉しい?」

「だって、確実に近くにいると言えるから」

「………」

「ねぇ、結愛こっち向いてよ」



結愛は再び瑛祐の方を向く。

振り向いて見えた瑛祐の顔は笑顔だった。



「結愛、笑ってよ」



瑛祐の言葉を受け、結愛は笑顔を向ける。

夕日が差し込み、カーテンがはためく中、瑛祐と結愛は静かに唇を重ね、二人の時間がここで始まった。