猫の世界と私

「どうしたの?何かワケあり?」



ショートの髪を、窓から吹く風で揺らし、結愛は瑛祐の隣に立った。
瑛祐は結愛の姿を目で追う。

夕日に照らされた結愛の瞳は茜色で輝き、髪も一本一本が艶やかに色づいていた。

思わず瑛祐は見とれてしまう。


行動が止まり、何も言わない瑛祐に、結愛は顔を近づけ様子を伺った。


顔の間近で視線が合った瑛祐は、驚いて身を引く。



「わ…っと…別に…」

「別に、て…そんな顔してなかったよ。どうしたの?」

「どうしたの、って…別に…」

「もう、何?言えないことなの?」

「言えないこと…と言えばそうなのかな…」

「もう…」

「……でも、聞きたいことはある…」

「え、何?」

「今日見たんだ、三坂と委員長が二人で歩いてるの」

「ん?あ、うん。確かに一緒にいた」

「委員長と付き合ってるの?」

「………なんで?」

「なんでって俺は聞いてるんだけど」



これ以上モヤモヤとすることが嫌で行動を起こしたというのに、はぐらかすような結愛の返事に瑛祐はイライラとした。