猫の世界と私

「写真、一緒に撮ってもいい?」

「写真?」

「うん、写真。ダメかな」

「いいよ」



思い出を形にできるのであれば、それはとても嬉しいこと。
しかも、それが結愛と一緒なら尚更。瑛祐は結愛の隣に並び、結愛が腕を大きく伸ばすと、その手に持っていたカメラで一度パチリと写真に収めた。


確認する結愛と同じように瑛祐もカメラの画面を覗き込む。

顔が近付き、吐息が聞こえる。
髪が微かに触れ、くすぐったい感覚が瑛祐を襲う。

思わず、自分自身の感情が抑えきれなくなる状況に、瑛祐は咄嗟に一歩後ろに下がった。

突然隣からいなくなった瑛祐を不思議に思った結愛は、小さく首を傾げ瑛祐を見る。


結愛から視線を受けた瑛祐は、その状態のまま顔を背けた。



「どうしたの?」

「う、ううん…何でもない…」

「ん?」

「あ、あ…えっと…高校行っても…よろしく…」

「え?う、うん…こちらこそ、よろしく」



瑛祐からの言葉が、行動から想像つかなかったため、首を傾げ、少し怪訝な表情を浮かべた結愛は、一応瑛祐の言葉を返した。

咄嗟に逸した会話が上手く終わり、瑛祐は顔を背けたままホッとしていた。

顔が火照っていることは自覚している。
それを結愛に見られるのは、更に恥ずかしいことだ。


瑛祐は深い溜息を着いた。