猫の世界と私

駅に着くと瑛祐は切符を買い、結愛の後を追う。
まさか一緒に乗ると思っていなかった結愛は、驚き、戸惑った。



「え、瑛祐君?電車、乗る必要ないよね?」

「…ある」

「え?」

「ある。電車に乗らなきゃ、送っていけないじゃん」

「え…送る…?」

「そう、一人で帰せると思う?わざわざ俺のことを待っててくれてたのに、俺のせいで遅くなったのに、さようなら、の一言で帰せるわけないでしょ」

「い、いいよ…大変だよ…」

「そんなことは分かってる。分かってるけど、俺はやりたいからやってるの。それとも三坂が嫌なの?」

「え…ううん、嫌じゃない…けど、遠いし、本当に悪いな…と思ってるよ」

「なら、いい。今は甘えておけばいいと俺は思うよ」

「………」

「分かった?」

「…分かった…」



声が小さくなり、顔も下を向いている。
そんな結愛を瑛祐は優しげな笑顔で見つめていた。

待っていてくれたことが何よりも嬉しい。

瑛祐と結愛は電車に乗り込んだ。
発車時間ギリギリだったのか、瑛祐と結愛が乗り込んだ途端に電車は動き出す。