猫の世界と私

「あ…ねぇ、瑛祐君、今何時?」

「え?あ…あぁ、六時半くらいかな」

「あぁ、だからか…」

「ん?」

「空、水色が薄くなっていって、端っこが茜色になってきた」



結愛に促され、体を背けたままの瑛祐は顔を上げ、空を眺めた。
確かに空の色が薄くなり、朱色が重なっている。
端にある太陽は、いつの間にか夕方の顔となっていた。



「私ね、夕日って好きなんだ」

「え、何で?俺、昼間の方が好きだけど…」

「昼間って…時間帯のことを言ってるんじゃないよ、私。夕日、茜色の太陽のことだよ」

「分かってるよ。でも、なんで?」

「また明日頑張ろうって思うから…一日の終わりを予告しているようで、寂しく思える時もあるけど、一日の終わりがあるからこそ、明日のことを考えさせてくれるでしょ。そんな所が好き」

「なるほど…」