猫の世界と私

「その…似合ってる…と、思う…」

「……あ、ありがとう…」

「い、行くか」

「うん」



照れながら進む瑛祐と結愛。
結愛は、瑛祐の一歩後ろを行くような感じで進んでいく。


午後5時を過ぎ、祭りが始まる時間が徐々に迫ってくる。
この時間帯から人は、まだまだ多くなっていく。
人の流れに身を任せながら、瑛祐と結愛はホームまで辿り着いた。

ホームにも人が溢れ、どこが最後尾なのか分からないほど混雑している。



「ごめん、三坂」

「え?」



瑛祐は結愛の腕を掴み、自分の方へ引き寄せた。
驚いた顔をした結愛は、ずっと瑛祐を見ている。
自分の今の状況は、流石に直視できないと分かっている瑛祐は、視線を上に向けたまま結愛の視線を逸らしていた。

視線を合わせていれる自信がない。

自分が今、どんな顔をしているのか分かっている。だからこそ、結愛に見られたくなかった。