猫の世界と私

瑛祐の言葉に、結愛は自分の言った意味を知る。
みるみる赤くなっていく顔が、瑛祐には可愛く思えた。

お茶の蓋を閉め、結愛は自分のカバンにお茶を仕舞うと、顔を隠すように図書館へと移動した。

慌てて瑛祐も後を追う。


自動扉の向こうへ瑛祐と結愛は消えた。


図書館の中は涼しく、当然のことながら冷房が効いている。
瑛祐は体が冷えていくことを感じ、結愛は持ってきていたタオルで自分の汗を拭くと、涼しさに身を任せていた。



「まだ怒ってる?もしかして…」



顔を見せないように俯いたままの結愛の顔を、瑛祐は覗き込んだ。
瑛祐と目が合った結愛の顔が再び赤くなっていく。



「怒っては…ない…」

「………じゃ…さ、始めようか」

「うん…」



顔が赤い、本当はそのことについて何か言いたい。
けれど、ここで聞いてしまったらダメだと瑛祐は自分を押さえ込んだ。

この時間を壊したくない。

この一心だ。