「怒らないって、怒るフラグな気が・・・」
「そんな怒らせるようなことなのか?」
「というか、面倒くさがるかな・・・っていうか・・」
「なんだよ、言えよ。多分、面倒くさがらないから」
「多分なんすか・・・」
よくよく考えてみれば、このお願いって恥ずかしいことでもあるんだよね。
男の子をデートに誘うなんて・・・やっぱ無理!
でも、この状況でやっぱいいですなんて言ったら、今度こそ怒らせてしまうかもしれない。
いや・・・それは怖い!
「・・・あっ、あの!・・えっと・・・」
気合を入れて凌我の目を見たものの、その目の迫力にやられてまたどもってしまう。
だけど息を整えて、もう一度凌我の目を見た。
「・・・・デ」
「デ?」
「デ、デデデ・・・」
「・・・あ?何?デデデ大王?」
「なっ、んなわけないでしょ!」
「じゃあ、なんだよ」
「ま、待って。急かさないでください」
「分かったよ。じゃあ、言いたくなったら言え。あ、でも昼休み中にな」
凌我はそう言うと、自分のお弁当が置いてある場所まで戻って、昼食を再開した。
諦められたのだろうか。
もうちょっとで言えそうだったのに、ここでそんな風に離れられたらまた振り出しに戻って言いにくくなるじゃないか。



