昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!



「あ、えっと・・・」


その通りです。

ていうか、

「殺さないの・・・?」

「・・俺はいつから、お前の中でそんな凶悪犯になったんだ」

「いつからって・・・最初からです」

「逆にナメてんだろ、お前」

凌我は、はあ、と息を吐くと、苦笑しながら怯えるあたしの頭に手を乗せた。

「・・・怖がらせて悪かったな」

ぶっきらぼうにらしくないことを言われて、何だかキュンと胸が跳ねた。


「ムカつくって言ったのはあれだ、言葉の綾だ。俺に遠慮して何も言わないのが焦れったくて、その・・・」

「う、うん・・・大丈夫、です」

凌我はあたしのその言葉を聞いて安心したのか、どかっとその場に座った。
あたしは凌我に撫でられた頭に触れる。


「・・・で、何か言いたいことあるんだろ?言えよ、怒らねえから」

凌我はさっきよりは少し優しい瞳であたしを見つめる。


やっばり、言わなきゃ駄目なのか。

怒られるのは怖いけど、これはこれで嫌だ。