「あ、えっと・・・」
その通りです。
ていうか、
「殺さないの・・・?」
「・・俺はいつから、お前の中でそんな凶悪犯になったんだ」
「いつからって・・・最初からです」
「逆にナメてんだろ、お前」
凌我は、はあ、と息を吐くと、苦笑しながら怯えるあたしの頭に手を乗せた。
「・・・怖がらせて悪かったな」
ぶっきらぼうにらしくないことを言われて、何だかキュンと胸が跳ねた。
「ムカつくって言ったのはあれだ、言葉の綾だ。俺に遠慮して何も言わないのが焦れったくて、その・・・」
「う、うん・・・大丈夫、です」
凌我はあたしのその言葉を聞いて安心したのか、どかっとその場に座った。
あたしは凌我に撫でられた頭に触れる。
「・・・で、何か言いたいことあるんだろ?言えよ、怒らねえから」
凌我はさっきよりは少し優しい瞳であたしを見つめる。
やっばり、言わなきゃ駄目なのか。
怒られるのは怖いけど、これはこれで嫌だ。



