昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!




「うん・・・」


あたしはまた、凌我の後ろをついて行く。

その後ろ姿を見ながら、少しだけ寂しくなった。


本当に、あたしは彼のことを何にも知らないんだな。

少し前に家庭事情を話してくれたけど、それ以外は何も、だ。


あの瞳に映る世界は、どんな色をしているんだろう?
あの瞳に映っていたあたしと出会う前の世界は、どんな色をしていたんだろう?

そして、あの瞳に映るあたしは、どんな存在なんだろう?


いつもいつも、あたしは不思議で。

どうして急にパンケーキを食べに来たの?
どうして私に構ってきたの?
どんなことを思って今一緒にいるの?

ねえ、どうして。

どうして私と付き合おうと思ったの?



元々、交わることがないと思っていたあたしと彼の世界。

彼は、遠い世界の住人だった。


でも、今はきっと・・・同じ世界で生きてるはずだから。


もっと知りたい。

もっと教えてほしい。



だから、この背中が妙に遠く、冷たく感じてしまう。

だから、あたしは少し走って彼の隣に行く。


そして彼の顔を覗きこむと、彼はあたしを見て、少しだけ驚いたような顔をした。