昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!





彼はいつだって、他人と壁を作っている。


いつも、簡単に他人を自分の中に入れない。

きっとあたしも、同じだ。


悲しそうな瞳の奥に、きっと‘何か’を隠している。

その‘何か’が、どんなに悲しくて辛いものか、あたしには分からない。

そして、それを隠していることが、どんなに切なくて苦しいものなのか、あたしは分かってあげられない。


でも、本当に苦しいんだと思う。

だから、あんな悲しそうなんだ。


だから、知りたい。

凌我の胸の中に隠した想い。


その想いのせいで、彼は誰も寄せ付けないようになったのかもしれない。

それでも、知りたい。


だって、あたしは、約束した。



凌我の居場所を作るって。

だから、きっとあたしは、凌我から離れることはない。


怖いからって理由で付き合うことにしたっての、本当は嘘なのかもな。


ただ、凌我を守りたくて。

ただ、凌我の傍にいたくて。

ただ、凌我のためにって。


そう、思ったんだって思う。



だけど・・・

そう思った理由が分からない。


同情じゃない。

そんなんじゃないことは分かるけど、分かるんだけど・・・。