・・・・。
って、彼に目を奪われている場合じゃない!
歩けないんだった!
ああ、もう、最悪だ。
あー、うー、おー、いー、えー・・・
なんて、あ行をコンプリートしている場合じゃない!
どうしようかな、と一生懸命頭を使って、考えてみる。
この痛さじゃ、誰かに手伝ってもらわないと歩けないけど・・・。
あたしはまた、辺りを見渡した。
「うぅ・・・」
ここ、特進クラスの前だ。
下から数えた方が早い程の学力のあたしに、特進クラスの友達なんていなくて。
人見知りのあたしは、知らない人に話しかけることなんて出来なくて。
じゃあ、売店になにか買いに来る生徒を待つか。
今、お昼休みだしね。
・・・けど、待っても待っても、人は来ない。
なんでだよーー!!
もう、泣きそう。



