「え?なんで?」
なんて言って困惑するあたしをおいて、凌我は店員さんについて行った。
意味分かんない!
だって、普通いきなり席に案内しないでしょ?
もしかして、凌我ってここの常連さんだったりするの?
それとも、このお店は何名かとか聞かないシステムなの?
と、とりあえず凌我について行こう・・・。
あたしは凌我の後ろを早歩きでついて行った。
そうして早足で歩きながら、少し店内に視線を向ける。
何人か他のお客さんがいるんだけど、みんなオシャレだし可愛くて、ちょっと自分が恥ずかしくなる。
だけど、店内がアンティーク調だから、きっとあたしの目は輝いてるんだと思う。
恥ずかしい気持ちとドキドキほんの少し恐い気持ち、嬉しい気持ちが混じって、なんか変な感じ。
まるで、凌我といる時みたいだ。
「どうぞ」
店員さんは、あたしと凌我を席まで連れて行くと、椅子を二つ引いた。
店員さんがイケメンな男の人だからか、ちょっとドキドキする。
凌我は普通に座ったけど、あたしは慣れてないから、
「あ、ありがとうございます・・・」
と言って、椅子に座った。
店員さんはにっこりと微笑んでくれた。
あ、そういえば。
このお店は店員さんがみんな美男美女という理由も、人気の秘密だとか聞いたことがあったな。
改めて店内を見渡すと、やっぱり店員さんはみんな美形。
すごっ・・・。
よくこんなに美形が集まるなあ。
もしかして、そういう人しか採用しないとか?



