「ここ・・・」


凌我にただひたすらついて行くと、着いたのはオシャレなお店の前。


あたしが好きな感じのアンティーク調のお店だった。
看板を見た感じ、カフェらしい。

隣で凌我もお店をじーっと見てる。


凌我、もしかしてこのお店初めて?

そりゃそうか。

あたしも来たことはないけど、このお店は知ってる。

雑誌によく載っている、超有名な大人気店。
ここのパンケーキがすごい美味しいらしくて、よく行列が出来ているんだよね。

けど、お客さんのほとんどが若い女の子で、男の子にはちょっと行きにくい場所なのかもしれない。

凌我は、そういうの大丈夫なのかな・・・?


「入るか」

凌我は、お店の扉を躊躇なく開けた。

今日は運がよく、お客さんはそんなに多くなくて行列も出来ていなかった。


「あ、待って・・・っ」

あたしは凌我を追うように、お店に入って行った。






入ってすぐあたし達の前に来た店員さんは、何名様ですか?、などというお決まりの言葉を言わなかった。

あたし達・・・というか、凌我の顔を見ると、にっこりと微笑んで、

「お席にご案内します」