昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!



ポケットに手を入れている。
少し猫背。

一瞬通っただけだったけど、あたしは何故か、とても魅かれた。

香水の臭い匂いがするのかと思ってた。
けど、石鹸の香りなんて。

恐いはずなのに、あたしは振り返った。
彼は、人の目を気にせず歩いて行く。

やっぱり、変な人だ。
掴みどころがなさそうな人だ。


けれど、

「やっぱり苦手だ・・・」

あたしはそっと呟いた。

ええと、確か名前は。

「高野(たかの)・・凌我(りょうが)、だっけ?」

なんなんだろう、あの人。
まあ、あたしとは関係のない世界の人だけど。

私は小さく息を吐いた。