あたしは頑張って何とか彼の方を振り向いた。
彼は、何かを企んでるような目で笑っていた。
「ちょちょちょ!今、なんて言った!?」
「俺の女になれよ。ってか、そう決めてたんだろ?」
彼はすごい余裕な顔してそう言った。
いや、決めてない。
「あたし、貴方の女になるなんて、一言も言ってませんが?」
&決めてませんが?
「壁ドンしてきた人と付き合うんだろ?つまり……俺じゃん」
いやまあ、確かにそうだけど。
で、でも!
「事故、ってことにしたらいいし!」
そう、あれは事故だ。
事故は、カウントに入らないし。
あたしがそう言うと、彼は怠そうに前髪を掻き上げた。
「あー、もう。面倒臭いな。俺が、チビ子のピュアな夢を叶えてやったんだから、付き合え」
・・・意味不。
その投げやりな感じの告白、なんですか?
ってか、チビ子って誰?
「ねえ、チビ子って・・・」
「ん?お前のことだろ」
・・・ああ、殺意。



