「ふんっ!」

あたしは彼に背を向けた。



「あ、怒った」

「サイッテー!」

でも、襲うつもりはなくても、壁ドン的なことはされたんだよね・・・。
しかも、今日のは明らか壁ドンだよね・・・

本当は、もっとちゃんとした人にされたかった!

あたしの夢だったのに!


「ホント最悪!壁ドンしてきた人と付き合おうって思ってたのにー!」

半分独り言で、太陽に向かってそう叫んだ。



「・・・あー、じゃあ俺のものになるしかねえな」

「・・・・・・・」


後ろから熱い視線を感じるんだけど、あたしは恐くてとても振り向く気にはなれなかった。

むしろ、何も聞かなかったことにしようとした。


ねえ神様、今のは幻聴ですか?

後ろから、なんか聞こえてきた気がするんだけど?


俺の、もの・・・って。

もの・・・。


誰の?

もしや、彼の?


いや、聞き間違いだ。

そうだ。そうに違いない。


「・・・なんも言わないってことは、決定な」


ん?

待って?

話、進んでない?