「壁ドン」
「えっと・・・男子が壁に手をついて、女子を逃がさなくする・・・まあ、女子ならみんな憧れること」
そう、あたしも実は憧れていた。
「壁ドンしてきた人と付き合う!」なんて、思ってたんだよな。
それは今もだけど。
・・・ん?
じゃあ、つまり・・・?
あた、あた、あたし・・・
あたしは彼を見た。
彼は壁ドンについて、何故か考え込んでいた。
「あ、いや!それはただ思ってただけだし、決めてないからセーフというか・・・」
「は?お前、なに言ってんだ?」
慌てすぎて明らかにボリューム調整を間違った独り言を言ってしまい、彼に怪訝そうな顔をされる。
「わわっ!いや、べ、別に!」
あたしは慌ててそう返事をした。
き、聞かれたぁぁ!
「?壁ドンってさ、さっき俺がしたのと近い?」
彼はそんなことは気にしていないみたいで、話を続ける。



