昨日、学校一の不良に壁ドンされちゃいました!




相変わらず恐いし、掴めない瞳は変わらないけど。

そういうことをしてるって感じはしない。

まあ、さっきの感じからして、慣れてそうってのは思ったけど。


「・・・まあ、な」

彼はふいに顔を背けた。

どこか遠くを見ている気がした。
少し寂しそうな瞳が気になった。

その様子に話しにくい雰囲気を感じたけど、あたしはそっと口を開く。


「・・・あの、これからどうするの?」

「ん?・・・ああ、お前は学校行った方がいいもんな」


彼とまた目が合ったけれど、どこか遠くを見ていた寂しそうな瞳は、もうそこにはなかった。


「うん・・・でも、なんか行く気しないや。・・・サボろっかな」

あたしは、彼のさっきの目が気になる自分を隠すように、彼から顔を背けた。


「へぇ」

彼はどうでもよさそうに返事を返す。


ああ、なんでだろう。

気になる。


「おかしいな・・・」

彼に聞こえないように、小さい声で呟いた。


あたし、ヤンキーは苦手。

だから、彼のことも苦手。