「は・・・?」

なのに彼は、それを断った。

なんで?
あたしはパチクリと、彼を見つめた。

何故に断る?

「俺、眠くなってきたから」
「・・・はあ!?」

彼は怠そうにあくびをした。
あたしは理解できなくて、困惑する。

眠いから、無理?
いや、おかしいでしょ。
自分勝手にも程があるでしょ。
どんだけマイペースなんだ。
高野様ペースってか。

さすがに、恐いと思って彼の言うことを聞く・・ことは出来ない状態。

「ちょ、そんなのこま・・・っ」

そう言いながら彼に近づいた時、あたしは足を滑らせた。
おぶられていたせいで足の痛みを忘れていたから、足を無理やり動かしてしまったせいだ。

「おまっ・・・!」

彼はそう言って、あたしを助けようとする。
でも、あたしは彼の力を借りずに、寸前の所で何とか持ちこたえる。

「えっ・・・」

その瞬間、あたしは、何が起こったか分からなかった。