なんて思いながら、彼におぶられること・・・10分。
あれ?って思ったのは、今。
いやぁ、いくらなんでも10分もかからないよ、あたしの教室まで。
よく見たら、ここどこ?ってなってるし。
そうだよ。
本当、どこよ、ここ。
「・・・え、本当にここどこ!?」
あたしは発狂気味に彼に尋ねた。
「え?ああ・・・わりぃ。つい癖で」
そう言うと、彼はあたしを降ろした。
「ごめん。いつも屋上に行ってるからよ、つい」
「あ・・・ああ、なるほど」
あたし、彼のこと少しだけ知ったみたい。
彼は、あたしに負けず劣らずの天然だ。
上を見ると、屋上があった。
ここは、屋上に繋がる階段みたいだ。
「・・・まあ、いいや。じゃあ、あたしのクラスまで、お願いします」
恐いのは変わらない。
でも、さすがに昼休みもあと数分で終わるし、歩けないから一人で帰れないし、頼むしかなかった。
「・・・んー、無理」



