あ、きれいなうなじ・・・
って、バカ!!
何見惚れているんだ、あたし!
でも、やっぱり男の子って感じだ。
背中は大きくて、温かくて。
金色の髪がすごく綺麗だ。
「高いなぁ」
気づけば、そんなことを口にしていた。
「・・・ああ、お前小さいもんな。高すぎて恐いってか」
「なっ!そこまで小さくないし、高所恐怖症でもないです!」
ついカッとなって、あたしは少し体を前に出した。
けど、
「いきなり動くなよ、危ねぇだろ」
と怒られたので、ビビッて硬直。
彼は落ちかけるあたしを上げ、体勢を整える。
よく見れば、いや、見なくとも、みんなからすごい注目されている。
悲鳴も上がっている。
そりゃそうだ。
こんな、みんなが知っているような不良が、女の子をおぶっているんだもん。
いるだけで注目されるのに・・・。
あ、そう思えば。
あたしは恐いけど彼に問いかける。
「ね、ねぇ……」
「あ?」
「こんなに見られて、恥ずかしくないんですか?」



