保健室を出てから再び支えられながら歩く。

そんな大層なことされるほどの怪我ではないんだけど、

全く隙がなくて声も出せないままになってしまうのだ。


「そうだ。君にちょっと聞きたいことがあるんだけどさ。」

「はい。なんですか?」

「なんであんなところで泣いてたの?」

「…え?」

「ああいや! 別に変な意味はないんだよ!?

普通あんな所にはいかないでしょ?

だから泣くためにいたのかなって…。」

「!」

…なんなのこの人。

手際の良さといい、観察力といい、

なんか、変。