コンコン。
「失礼します。」
そう言って保健室のドアを開ける先輩。
私、さっきからやってもらってばっかだな。
「あらー、こんな朝早くからどうしたの?」
まだ若そうな保健室の先生が奥の方から顔を出した。
「どっかで転んだみたいで。隠れて泣いてたんです。」
「あ、っちょ、…」
「うん?」
まるで何事もなかったかのように笑顔で首をかしげる先輩。
もう、なんでそんなこと言っちゃうかな。
私が小さい子みたいに思われるじゃない。
「大丈夫。消毒して、絆創膏貼ればすぐ直るって。」
…ほら。
私は恥ずかしさで顔を上げられなかった。