「大丈夫?」

「…はい。」


支えてもらいながら少しずつ歩く。

かばんとかいつの間にか持ってもらっちゃってるなぁ。

歩幅も合わせてくれて。

なんでこんなに優しくしてくれるの?


隣には私に合わせようと一生懸命下を見ている先輩。

内股の私の足。

どう、思ってるんだろう。


「ん? どうかした?」

ふいに目の前の黒い髪の毛が見えなくなって、代わりに

先輩のきれいな顔が写る。

「う、あ、い、いえ。」


慌てて眼を逸らす。


び、びっくりした…。

いきなりこっち向くなんて思わなかった…。