「一人で、いけます。」

自分が勝手に転んで、勝手に泣いてただけなんだ。

他人に頼ってちゃ、だめだ。


「そんな、遠慮しないで?」

「でも…、朝学遅刻しちゃうんじゃないですか?」


うーん、と左腕の時計を確認する。


「まー、このままダッシュしても遅刻だしいいよ。

ほら。」


そう言って手を差し伸べてくれる。


私は手首の擦ったところがくっつかないように、

指先だけを握った。