「あれ、きみ、どうしたの?」

「!」

突然の声にびっくりする。

ひざ、痛い…。


「わ、怪我してるじゃん! 保健室行こう?」

「…え?」

「痛くて動けないの? おぶろっか?」

「あ、いえ、そうじゃ、なくて…」

「うん?」


膝が痛いわけじゃない。

むしろ擦っただけの手の方が痛い。


手を貸してくれようとしてるのに、

驚いたんだ。


この人も青いネクタイ。

てことはつまり先輩。

でも、さっきの人と違って、ほんとに心配、

してくれてるみたい。