「…確かに私、泣くために移動しました。

こけたとき、ちょっと傷つくことを言われたもので。」

「なんて?」

「それは…言っても仕方のないことなので。」


きっと、わかってはもらえない。


「じゃあ…誰に言われたの?」

「名前は、わかりませんけど…、

先輩と同学年の方みたいでしたよ。

それで、髪は薄い茶髪で…怖そうでした。」

怖そうって言うか、実際怖かったんだけど…。

「そっか…、ごめんね、やなこと思いださせて。」

「いえ。」