八日目。

霧ははれない。

朝になると、くまの気配は消えていた。

だれも「下山しよう」とはいいださない。

たまっていた日記を書いて気をまぎらわす。

この日記を持ってぶじにかえりたい。

14時ごろ、ばんが狂った。

はじめに笑い出して、かんだかく叫んだあと、笑いながら何ももたずにテントをとびだしていった。

きりの中に彼を見送って、しばらく笑い声をきいていたが、それもそのうち小さくなった。

大介がしずかにゆっくりとテントの口をしめ、「いったな」と、久しぶりに大介の声をきいた。

そのよるもくまが来た。

僕たちは二人だき合ってよるが明けるのをまった。