『イサヤ』 あたしは後ろを向いて静かにそう呼んだ。 少し間をあけておくから出てきた優は、初めこそあたしを見て微笑んでいたものの、“峰岸蓮”つまり来客を見て、仮面をかぶった。 "イサヤ"という名の仮面を。 「お客様ですか。…裏、のほうの。そんなところで立っていないでこちらにお座りくださいい。」 丁寧な言葉で、笑顔は絶やさず。あくまで、作り笑顔だけれど。 効率よく、こっちも利を得られるように。