五階の階段を駆け下りて、二階のトイレに急いで入った。 個室のトイレのカギをかけたことを確認してから便器に向かう。 「うっ…おえ…っ、」 あんなに大口をたたいてみても、しょせんあたしは臆病者。 同じ空間に男が二人もいて、あんなにも喋れたあたしは進歩したと思う。 その進歩も、結局自分でしたものではないんだけれど。