油断してがら空きになっていたライオンの腹部に思いっきり蹴りを沈ませて、首をつかんでいる手が緩んだうちに今度は突き放した。 首から手が離れて、あたしは一回だけ深く深呼吸して、ライオンに冷たい目を向けた。 さっきまでは空気を吸い込もうと必死だったくせに、もうあたしはそんなことなんてどうでもよくなっていた。 怖かった。ただ怖かった。それ以外の感情は、あたしの中にはなかった。 つかまってしまったらそれで終わりだ。 だから、やられる前にやらなきゃいけない。 そう思った。