本当は、会うことも関わりもなかった人。 あたしが見つけたこの場所で、あたしの運命という歯車は少しづつ、でも確実にまわり始めた。 凍っていた氷がゆっくり溶け出すかのように、あたしの中の砂時計は傾き始めた。 ――――――――ということを、あたしはまだ知らない。